優良事例
Good Example
耕畜連携による
地域農業の新たな展開を支える
酪農集団活動
真室川町酪農振興会
- 地域の概況
- 地域振興活動の内容
-
当該事例の活動・
成果の普及推進のポイント - 活動の年次別推移
-
活動成果に対する
受益者等の声 - 普及にあたっての留意点
- その他成果を表す資料等
- 事例の特徴や活動を示す写真
3.当該事例の活動・成果の普及推進のポイント
(1)普及に当たっての留意点
堆肥の流通を促進するには、多量の堆肥が施用可能な路地野菜(ネギ、ニラ、アスパラガスなど)の産地化を形成する必要がある。
堆肥の施用効果を耕種農家に理解させるには実証展示して見せるのが有効である。
畜産農家と耕種農家の連携を図っていくには、散布組織(人)の育成と散布機械の導入について、関係機関・団体が連携をとり、支援していく必要がある。
【図-4 真室川町耕畜連携システムにおける関係機関等の役割分担】

4.活動の年次別推移
年 次 | 活動の内容等 | 成 果 | 課題・問題点等 |
---|---|---|---|
平成2年 |
自給飼料生産拡大のため
酪農振興会を設立 |
牧草ラップ |
|
平成10年 |
耕種農家に土づくりの機運が
できてきたため、耕種農家と連携し、 堆肥製造施設と関連機械等を整備。 |
堆肥製造施設の整備 |
堆肥の販売先 |
平成15年 |
エコアグリプロジェクトを立ち上げ、
耕畜連携システムの耕畜による 土づくりと付加価値の高い 農産物販売を目指す。 |
実証ほの設置、 雪上散布作業デモによる |
需給調整 |
平成16年~平成17年 |
野菜生産組合の堆肥施設を酪農振興会
メンバ-敷地内に設置。 タラ駒木処理開始。 |
堆肥舎2ケ所設置。 ストックヤ-ド4ケ所設置。 試行的取組みから本格稼動開始。 |
作業の効率化・処理量の拡大 |
5.活動成果に対する受益者等の声
氏 名 | 所属・属性 | 声(評価) |
---|---|---|
斉藤 幹夫 |
JA真室川町カントリーエレベーター |
|
川又 義弘 |
JA真室川町野菜生産組合 組合長 |
|
小松 栄富 |
田郎堰土地改良区理事 |
6.普及にあたっての留意点
堆肥の流通を促進するには、多量の堆肥が施用可能な路地野菜(ネギ、ニラ、アスパラガスなど)の産地化を形成する必要がある。
堆肥の施用効果を耕種農家に理解させるには実証展示して見せるのが有効である。
畜産農家と耕種農家の連携を図っていくには、散布組織(人)の育成と散布機械の導入について、関係機関・団体が連携をとり、支援していく必要がある。
7.その他成果を表す資料等
<<その他成果を表す資料等>>
8.事例の特徴や活動を示す写真
-
[酪農振興会の堆肥処理製造施設]
・平成10年に農業生産体制強化推進対策事業により設置。
・オープン攪拌機及びマルチスクリュー攪拌機を装備し、良質堆肥を年間3,000トン生産している。
-
[未利用資源の活用]
・水分調整材として、きのこ栽培後に排出する廃オガクズ等2,000トンを利用。
・また、「タラノ芽」促成栽培の廃駒木(6トン)を粉砕し、副資材として活用している。
-
[ストックヤード(堆肥舎)]
・平成15年に堆肥の流通促進、堆肥散布作業の効率化を図るため、耕種農家自らが堆肥のストックヤード(400トン規模)を設置。
・平成16年には新たに1棟(150トン規模)を設置した。
-
[ストックヤード(簡易対応方式)]
・平成17年には、防水シートと土壌硬化剤を利用した簡易ストックヤードを2箇所(100トン規模)、県単独事業により設置した。
・ストックヤードでは、2ヶ月間堆積したものは園芸作物用に、6ヶ月堆積したものは水稲用にそれぞれ散布している。
-
[堆肥運搬と散布]
・酪農振興会のメンバーが耕種側のオペレーターとともに実施。
・メンバーは2トンダンプ4台を駆使し、ストックヤードに集積する堆肥の約60%を運搬している。
・散布には平成8年に取得した自走式マニアスプレッダー(3トン)と、平成16年に地域水田緊急再編対策事業により新たに導入(3.5トン)した2台を使用。
-
[堆肥雪上散布の実施]
・春と秋の散布のほか、積雪の利点を活かした雪上散布も実施。
・雪上散布のメリット
(1)春と秋に集中する堆肥散布期間の拡大
(2)散布作業の効率化
(3)堆肥ストック量の平準化 -
[こだわり米の生産拡大を促進]
・同振興会の生産した堆肥等を利用して栽培された「こだわり米」の出荷量は、町全体の55%(4万俵)を占める。
・平成16年に「お米日本一コンテスト」最優秀賞(町内農家)。
・平成17年には「全国米食味分析鑑定コンクール」金賞受賞(町内農家)
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[堆肥施用効果の実証展示]
・野菜生産部会長への働きかけにより、堆肥の実証試験や堆肥の効果を実証する展示を実施。
・堆肥による土作り効果を野菜農家に理解してもらった。
・堆肥の施用効果により、ネギ、ニラ、タラノ芽などの園芸作物の取扱い額が急速に伸びてきている
-
[新たな堆肥施用方法の導入]
・ニラ栽培における施用方法を、従来の全層施用から表面施用に切り替えた結果、6トン/10aから10トン/10aの施用が可能となった。
・堆肥の供給体制が整っているからこそできる栽培手法のひとつ。